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第26章 蜜月 〜side B〜 ① (S × O)



智side


真夜中、ふと目を覚ますと、



僕が寝つくまで抱きしめてくれていた翔ちゃんが寝息をたてていた。



ぽってりした唇を半開きにしたまま眠る翔ちゃんの唇をぷにぷにと指先で突っついては反応を楽しむ。



すると、なにやらむにゃむにゃと言いながら背を向けてしまった。



そんな翔ちゃんを背中から抱きしめた。



服を着込むと、ぱっと見分かりづらい筋肉質な翔ちゃん。



そんな逞しい翔ちゃんをぎゅっと抱きしめた。



何だか泣きそう…。



でも、悲しい、とかじゃなくて、



翔ちゃんが僕の側にいてくれる、





ただ、それだけなのに胸が一杯で、涙が出そうだった。



翔ちゃんの広い背中に顔を押し付けたままグスン、と鼻を啜る。



すると、



布同士が擦れる音がして、



気がつくと、目の前には翔ちゃんの広くて大きな胸があって、



耳のすぐ側に、規則正しく繰り返される心音が響いていた。



顔をあげると、おっきなドングリ眼で見つめられていて、



また、違った意味で、安心感から涙が零れる。



翔「どうしたの、智くん?どっか痛いの?」



翔ちゃんの胸に顔を埋めて首を振る。



困ったように、でも、



力強く抱きしめてくれる翔ちゃん。





願わくはずっとこのまま抱きしめていて…。

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