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第28章 恋する二人の小さな旅 (S × O)



智side


「…っ!?しょ…」


翔「こういう辺鄙なところまで来ないと智くんとイチャイチャ出来ないから…。」


「…そうだね?」



僕も負けじと翔ちゃんを抱きしめる。



翔「戻ろっか?」


「うん。」



僕は、差し出された翔ちゃんの手に指先を絡めるように手を繋いだ。



「夕食、楽しみだね?」

翔「そうだね?」



打ち寄せる波の音を背に、


宿に帰っていった。



「え?何これ?スゴいんだけど…」



次から次へと運ばれてくる料理に目を見はる。



特に、スゴかったのが舟盛り。



軽く2人分はあるんじゃないか、ってぐらい大きい。



一切れ、箸でつまみ上げて口に運ぶ。



「うま…!」



翔ちゃんと目があって頷きあった。



智「ね、翔ちゃん、お風呂行こ?」



すると、なだらかな肩を竦めて僕を見た。



どうしたのかな?



翔「内風呂でいいんじゃない?わざわざ大浴場まで行かなくても?」


「でも、翔ちゃん、露天風呂好きじゃん?部屋に露天風呂付いてないのに内風呂だけでいいの?」


翔「な、何だか気乗りしなくて…あはは…」


「………。」



僕は、売店へ行くフリをして、



旅館の大浴場へ向かった。


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