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第28章 恋する二人の小さな旅 (S × O)



智side


相葉ちゃんと同じく、お風呂好きな翔ちゃんが、



何で大浴場に行きたがらないんだろう、と不思議に思いながら、



旅館の大浴場に向かった。



そこで、僕は、あることに気づいた。



え?ウソ?



脱衣所は男女に別れているものの……





露天風呂は1つだった。




…ここ、混浴だったんだ。



それならそうと言ってくればいいのに…





僕は、部屋に戻って、さっき見てきたことを翔ちゃんに伝えた。



そしたら、翔ちゃんは焦った顔をしたものの、



やっぱり、行きたがらない理由は濁した。



「じゃ、僕一人で行ってくるけどいい?」


翔「あ、いや…やっぱり俺も行く!」



慌てて僕に続く翔ちゃん。





「はー、やっぱり気持ちいいね?」


翔「そっ、そうだね?」

「……どうしたの?」


翔「へっ?べ、別に?」



大浴場に入ってから、


いや、それ以前からずっと落ち着きのなかった翔ちゃん。



少し離れたところから女の人の声が聞こえるたび、



翔ちゃんは、僕を隅へ隅へと追いやるように、端っこへ移動していった。



せっかく広いお風呂なのに、と、



僕は、翔ちゃんを振り切って真ん中へと移動した。


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