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第28章 恋する二人の小さな旅 (S × O)



翔side


何とかふくよかなオネエサマがたを振りきり、



呆然とする智くんの体をタオルで拭き浴衣を着せ大浴場を後にする。



部屋の布団の上に座らせると、智くんの手に冷たい水の入ったコップを握らせた。



その水をちびちびと口に運ぶ智くん。



時折、グスン、と鼻を啜る。



そして、一人言のようにポツリ言った。



僕も男だったんだなあ、って。





うーん、やっぱ、立っちゃいましたか?





でも、そんなことで悩むキミもなかなか可愛い、って、



今さら気づいた俺もなかなかの変態じゃね?



初めは、想像するだけで少し引いちゃって、


ここ、キャンセルしよっかな?って思ってたんだけど…



「智くん。」



智くんの手からコップを取り上げ、後ろから抱きしめる。



智「翔…ちゃん?」



体を固くする智くん。



「…シよっか?」


智「ううん。ヤんない。」(←即答。)



お休み、とそのまま布団の中に潜り込んでしまった。



静かに寝息をたてている智くんの隣で、



俺は1人悶々としなが朝を迎えた。


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