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第28章 恋する二人の小さな旅 (S × O)



智side


「目、覚めた?」



顔が離れてもぼんやりしている翔ちゃんに話しかけた。



翔「………」


「翔ちゃん?」



無反応な翔ちゃんの目の前で手をヒラヒラさせたり、



頬をつねったりしてみた。



…どうしたのかな?



今度は翔ちゃんの顔を間近に覗き込んでみる。



「し・ょ・お・ち・ゃ・ん!」



翔「わっ!?」



今度は、思いっきり後ろに後ずさる。



「もー、どうしたの?人形のように動かなくなった、と思ったら、後ろに飛び跳ねたりして…?」


翔「だっ…だって、智くんがいきなりチューしてくるからっ!!」


「もー!!そんなこと?チューどころかエッチだってしてるじゃん!?」


翔「だっ!!だから、っていきなりチューしなくてもっ!!」


「もー、翔ちゃん、てば、可愛すぎ」


翔「あっ♪」





…僕から翔ちゃんを押し倒してしまった。





「はい、翔ちゃん、口開けて?」



ハンドルを握る翔ちゃんの口に、


一口サイズの温泉まんじゅうを放り込む。



「おいしい?」


翔「うん♪」


「はい、翔ちゃん、お茶。」



モゴモゴしている翔ちゃんの口にペットボトルのお茶を飲ませてあげる。



が、ここで僕は、あることに気づいてしまった。



みんなのお土産用にと買ったお饅頭まで開けてしまっていて、


調子に乗ってその中のいくつかを翔ちゃんに食べさせてしまっていた。



…どうしよう!?



翔ちゃんが、翔ちゃんが、



僕のせいで太っちゃう…。(←そこ?)



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