Sparkling!
第32章 Baby red
潤side
「チキンライス、出来る?」
翔「え…と…」
ウソ?出来ねえの?
翔「そもそも、包丁使うこと自体、苦手なんだよね〜」
「・・・・」
…今までどんな食生活送ってきたんだ?この人は?
潤「じゃ、玉ねぎのみじん切り、教えるから。」
こうして、ああしてと、
どんな風に包丁を入れるかを説明する。
「出来そう?」
翔「とりあえず、やってみる。」
と、玉ねぎに恐る恐る包丁を入れ始める。
翔「あっ!!」
叫ぶと同時に包丁を置き、顔をしかめながら指先をもう片方の手で押さえる翔さん。
「ちょっと見せて!?」
翔「へっ?」
咄嗟に翔さんの手を取り、血が滲む指先を流水に浸した。
あー、思ったより深いかも…。
「今、手当てしてあげるからそこ座ってて?」
翔「う…うん。」
ぎこちなく返事をする翔さんをソファーに座らせ、
救急箱を取りに寝室に向かう。
「もう一回見せて?」
翔「ん…」
素直に手を差し出す翔さんの手を取り傷口を確認する。
出血も止まってるし、傷薬塗っとけばいいか…。
消毒し、傷口に充てたガーゼを包帯で固定する。
「はい。おしまい。」
黙ったままの翔さんに笑いかけると、
翔さんは小さくありがとを言いながら、
俺に背中を向け、少し離れた場所に座り直した。