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Sparkling!

第39章 お持ち帰り。



収録も終わって前室に戻る途中に翔くんを呼び止めた。



翔「…何?」



相変わらず翔くんはおいらをまともに見ようとしない。



でも、おいらがメンバーに手を出すようなヤツじゃないことは信用してもらえたみたいだから、怒っている訳ではないだろう。



「え…と、ちょっと聞きたいことあって…」


翔「今じゃないとダメなの?」



泣き顔を見らればつが悪いのか翔くんはおいらをまともに見ようとしない。



そう、知りたいのは…



あの、涙の訳。



「いや…別に急いでないけど…」


翔「そう?どのみち今日は無理かもだけど?」


「そっか…」


翔「でも…」



翔くんに背を向けようとした時だった。



翔「遅くなっても構わないんなら…」


「え?」


翔「それでも構わないならいいよ?」



いつものように笑う翔くんがそこにいた。



「あ……うん。」


翔「じゃ…」



と、アホみたいに突っ立ったままのおいらに背を向けた時だった。



翔「あ…そうだ。」


「ん?」


翔「智くんはさ……お持ち帰り可?」


「は?」


翔「智くんは松潤を持ち帰っちゃったけど、逆はいいの?」


「あ…あの…それはどういう…」


翔「答えて?」


「か…可能です。」


翔「…分かった。」



翔くんから何の説明もないままおいらは頷いていた。










その理由は、後でイヤほど思い知らされたけど。



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