Sparkling!
第40章 TOP SECRET Ⅰ (O × M)
智「し…し…しょ…」
口をパクパクさせるだけで、うまく言葉を発せないでいる智くんを抱きしめる。
「続きは部屋でしようね?」
智「や…やんない!やんない、ってば!!」
マジな顔して俺を突き飛ばす。
「やだなあ?単なるお礼のつもりだって?智くんに手を出したら俺、松潤に殺されるじゃん?」
…ちょっとだけマジだったのは内緒だけど。
智「も、もー!!脅かさないでよ!!」
「ごめん。ちょっとからかってみただけだから」
でも、あんな熱々な二人を見たら軽い気持ちで手なんか出せないよ。
「ごめん。俺、やっぱ、自分ちに帰るわ。」
智「そ、そう?」
安堵のため息をつく智くん。
智「じゃあ…送ってこうか?」
「いいよ?ここからだったら智くんの家の方が近いだろ?」
と、先に智くんを家に送り届け、一人、タクシーで帰ることにした。
別れ際、智くんに何度も一人で大丈夫か、って念押しされたけど、
その優しさに本気で甘えてしまいそうだったし、断固拒否った。
全然大丈夫じゃないのに。
本当は誰かに甘えたくて、すがりたくて仕方ないのに。
でも、あのまま智くんにくっついてったら、確実に間違いを起こしそうで…。
は……間違い、って何だよ?
動き出したタクシーの窓に映る可哀想な自分の姿に渇いた笑いが漏れた。