Sparkling!
第41章 TOP SECRET Ⅱ (S × N)
和也side
「…お疲れっした。」
二人してグラスを合わせた後、店の中を見回した。
必要以上に照明を落とした店内には人影も疎らで、こんなんで経営が成り立ってんのか、ってぐらい閑散としていた。
でも、どの客を見ても品が良さそうなのは、さすがは翔さんがチョイスしただけのことはある、と、改めて納得した。
翔「味、どう?」
「うん。悪くないよ?」
翔「うーん、その言い回し、気になるなあ?」
「そお?俺なりの誉め言葉だけど?」
そうなの?と、翔さんはドングリみたいな目で俺を見た。
ニュース番組でキリッとしている翔さんもいいけど、
こんなお茶目な翔さんもたまらない。
てか…
翔「俺の顔に何かついてる?」
「べ、別に?」
慌ててアルコールを口に流し込んで、げほげほと激しく噎せた。
翔「どうしたんだよ?らしくない。」
苦笑しながら俺の背中を擦る手は優しくて、
俺、やっぱりこの人のことが好きなんだな?って思う。
反面、
『じゃ、いい。』
あの時、あっさり電話を切ったアイツのことが気になっている俺がいた。