Sparkling!
第41章 TOP SECRET Ⅱ (S × N)
店を出、タクシーも拾わずに夜道を二人で歩く。
酔いざましになるからと、ゆっくりゆっくり歩く。
何処に行く、って、明確な宛があるわけじゃなかったし。
でも、黙ったままずっと後ろを歩いている翔さんのことが気になって、
時折立ち止まっては、長く伸びる翔さんの影が動き出すのを待ってから、歩調を合わせるように俺も歩き出す。
もどかしく感じる距離感。
耐えきれずに振り向き、翔さんと向かい合う。
「ね、飲み直さない?」
翔「俺は別にいいけど…ニノ、明日早いんじゃ…」
「平気。明日のロケ地、翔さんの家から近いし。」
翔「え…?」
大きな目をパチパチさせる翔さんの腕を掴む。
「行こ?翔さんち。」
翔「でも…」
「ダメ?」
ダメ押しの上目遣いで翔さんの顔を覗き込む。
すると、翔さんはぎこちなく笑いながら、じゃ、行こうか、と歩き出した。
でも、再び歩き出した俺たちの距離は変わらず、
俺が翔さんが追いつくのを待っている、というスタンスも変わらなかった。
「ねぇ…翔さん。」
翔「何?」
「イヤなの?俺が家に来んの。」
翔「何で?」
「あんまり嬉しそうじゃないから…」
翔「そんなこと…ないよ?」
翔さんは、
唇を尖らせる俺の隣に小走りでやって来て、
肩に腕を回して体を引き寄せた。
翔「俺でいいのかな?と思ってさ?」