Sparkling!
第50章 やっぱ、好きなのかもね?
翔「和、どうした?」
「へ?何が?」
翔「何が?って……ため息ばっかついてるから。」
「あ…ああ、ごめん…何でもない。」
翔「そう?何か浮かない顔してるから。」
出張先から帰ってきたその足で訪ねてきてくれた翔ちゃんが顔を曇らせた。
「ホントに大丈夫だって?で?何買ってきてくれたの?」
翔「月並みだけど…」
「八ツ橋…」
どこに行ったか、なんて、聞くまでもないな…。
翔「ところで潤は…?」
ため息混じりで、お菓子の包装をべりべり破いていると、翔ちゃんがキョロキョロしながら聞いてきた。
「……友達んとこ。」
蓋を開け、近年味の種類がさらに豊富になった八ツ橋を物色する。
翔「和を残して?」
「……いつものことだから。」
俺はザ・スタンダードな 白い皮の八ツ橋を摘まんだ。
翔「まさか…浮気してないよね?」
「さあ…?」
翔「さあ、って……」
他人事のように受け流す俺の態度に翔ちゃんが眉を吊り上げた。
翔「こんな時間まで帰ってこないなんて…一緒に住んでる意味あるの?」
翔ちゃんの剣幕に俺が怯んでいると、激昂する翔ちゃんを宥めるように翔ちゃんの携帯が鳴った。