Sparkling!
第50章 やっぱ、好きなのかもね?
俺の言葉に意味深に笑うと、雅紀はさっさとカウンターに座った。
雅「ここに誰かを連れて来るの、って、実は初めてなんだよね?」
「えっ?」
雅「だから、フラれるかどうかなんて、まだ分かんないよ。」
ポカンとする俺に構わずに雅紀は勝手に俺の分まで注文している。
「ちょっと、何勝手に注文してんの?」
雅「いいからいいから。」
目の前でバーテンダーが数種類の液体をグラスに注ぎ入れマドラーで掻き回す。
そして、スライスしたレモンをグラスの縁にあしらい、
俺らの目の前に見た目も涼しげなカクテルを並べた。
雅「まあ、飲んでみてよ?」
「……俺にも選ぶ権利あるだろが…」
毒づきながら一口飲むと口の中が、というか、頭を一発ガツン、と殴られたような衝撃が走った。
雅紀「どう?美味しい?」
ニコニコしながら覗き込んでくるバカの頭を、
さっき俺が受けた衝撃ぐらいの強さで殴ってやった。
雅「んもー、痛い、って?」
「ふざけんな!!こんな強い酒なんか飲ませやがって!酔い潰れた俺をどうするつもりだったんだよ!?」
おどけて頭を擦っている雅紀を睨み付けた。
雅「……そうだなあ……取り合えず…」
おどけた表情から一変。
雅紀は口元だけを上げ笑ってみせた。
雅「和をここから連れ出す…かな?」