Sparkling!
第50章 やっぱ、好きなのかもね?
雅紀はちょっとゴメンね?と、携帯電話で誰かを呼び出した。
「誰?」
雅「ふふっ、ナイショ。」
程無くして、背後に気配を感じて振り向くとバツが悪そうな顔をした潤が立っていた。
「な…んで?」
潤「……和。」
雅「じゃあ…俺、行くね?」
雅紀はそそくさと立ち上がりながら、自分が座っていた席へと潤を座らせようとする。
雅「どーせ大したことないんでしょ?ケンカの理由なんて。」
「そんなこと…!」
潤「……ごめん。」
潤が項垂れるように頭を下げる。
潤「和が…一緒に住んでくれてる、って事実に浮かれてて、和が何考えてんのかまで考えてやれてなかった。」
「……。」
雅「もういい加減、座ったら?」
潤「あっ…ああ。」
俺の顔色を伺いながら潤は俺の隣に座った。
「俺…実はあの部屋出ようと思って荷物まとめてきたんだ。」
潤「えっ?」
「でも、よく考えたら行くとこないなあ、なんて。」
よく言うわ、俺も。
「しょうがないから、もうしばらく一緒にいてあげる。」
素直に出ていくのをやめた、って言えない俺。
ふと辺りを見回すと、雅紀の姿は何処にもなかった。