Sparkling!
第52章 MISTAKE LOVE
翔side
と、まあ、彼らがある意味恋バナに花を咲かせていた頃、
俺ら二人、といったら。
「ヘックション!!」
智「んー?翔ちゃん、どした?風邪でもひいたか?」
「いや……」
初冬と言えどコートを羽織るにはちょっと憚られるぐらいのこの陽気。
どっかで女子がウワサでもしてんだろう。
智「翔ちゃん、モテるからね?」
「そう言うアナタもでしょ?」
まあ、恥ずかしながら、モテてる、という自覚はある。
智「俺のどこがモテてんだよ?仮にそうだった、としても翔ちゃん程じゃないでしょ?」
広げた釣り雑誌で顔を隠したまま寝ようとするこの男から雑誌を奪い取る。
「……よく言うよ?智くんのいく先々、黄色い声の嵐じゃん?」
智「いや、だからあれ、俺じゃないよ?たまたま俺の隣に翔ちゃんがいたからだよ?」
「どーだか?」
雑誌を俺から奪い返した智くんは、雑誌を顔に被り椅子に腰かけ足を机の上に投げ出した。
智「んで?」
「何?」
智「何、じゃないでしょ?俺に何か話したいことあるんでしょ?」