Sparkling!
第53章 Crazy For You
和「す…」
「い、いやっ…これは……その…」
その子の顔がみるみる赤くなっていく。
和「すいませんでした!!」
そして、彼は勢いよくカーテンを閉め、保健室から走り去った。
翔「うーん、これは何か勘違いされた感じ?」
おい、どう見たって、状況的に感じじゃねぇだろ?
完璧に勘違いしてるだろ?
俺は今度こそベルトをしっかり直し彼の後を追った。
だが、すでに彼の姿は何処にもなく、俺は高校受験の前日の夜以上に焦っていた。
何でか、って?
翔くんと付き合っている、という噂が流れるかも、ってことじゃない。
あの「彼」に勘違いされたことが問題だった。
だって…彼は…
「二宮和也」くんは…
俺が好きになった子だったから…。
ガックリと肩を落とし、保健室に戻ってくると、
俺と付き合ってる疑惑をかけられた親友の翔くんがキョトンとしていた。
翔「どうしたって言うの?そんな血相変えて?」
しかもちょっと笑ってるし…
「いや…だって見られたんだぞ?」
翔「別にどうってことないでしょ?なんなら…」
「おわっ!!」
翔「……ホントに付き合っちゃう?」
俺を羽交い締めするように抱きついてきた翔くんは、
あの、女子生徒たちに「声でニンシンしちゃう」とまで言わしめたセクシーボイスで俺の耳元で囁いてきた。
が、寸でのところでこのエロボイス男をはたき落とした。