Sparkling!
第54章 サクラサク?
「そっ…それは……」
智「まあ、気持ちは分からないでもないけど翔くんのためにならないよ?」
「どうして…ですか?」
智「……どうしてか、って?」
大野さんの目つきが鋭くなる。
智「言葉のまんまなんだけど?」
俺の手を離し、大野さんは水割りをゆっくりと味わって飲むようにごくごくと飲み干した。
智「さて…帰ろっかな?」
「え?」
智「ん?もしかして、部屋、取っといてくれたとか?」
「まっ、まさか?」
智「だよねぇ〜?」
へらっと笑った大野さんは伝票を手に取り立ち上がった。
智「ここは奢るよ?」
じゃ?と、その伝票をヒラヒラさせながら帰っていった。
もしかしたら、ホテルに連れ込まれるかも、って、身構えていただけにちょっと拍子抜けしてしまった。
それにしても、翔くんのためにならない、って、どういうことだろ?
取り残された俺は、少しだけ飲んで店を出た。
そして、俺はこの時の話をカズに話した。
和「だから大野さんの言う通り、そのままの意味でしょ?」
「いやいや。それはそうだろうよ?俺が言いたいのはそこじゃなくて……。」
和「どこなの?」