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Sparkling!

第54章 サクラサク?



プレゼンの日。



いつものように、一本早い電車で出社した。



潤と顔を合わせないようにするためじゃなく、プレゼンの資料をチェックするためだ。



そうでないなら同じ電車で出勤する。



もちろん、プライベートを知られないよう、時間差で。



やがて、静かだった会議室内がざわざわし始め、営業課のお偉方や一部重役たち、



俺や智くんの他にプレゼンに参加する連中、等。



そう言えば智くんは?と振り返った先に、



その智くんがいた。



俺と目が合うと、智くんはニコニコ笑いながら俺に手を振ったかと思ったら急に真顔になり、俺から顔を逸らした。



いつもニコニコしているイメージがあったからちょっと驚いた。



それだけ、本気モードってことか。



俺だって……



あれだけ入念に準備してきたんだ。



庶務課の相葉くんや経理課の二宮まで巻き込んで。



握りしめた拳にじわり汗が滲む。



潤は……



潤は絶対に渡さないからな。



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