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第54章 サクラサク?



大野さんは、少し面倒くさそうにしているカズの指に銀色のリングを填めた。



智「俺の嫁になってくれ、カズ。」


和「……。」



いつになく真剣な大野さんの雰囲気に、俺らは固唾を飲んで見守る。



智「俺に付いてきてくれ。」



な?と、大野さんは黙ったまま俯くカズの顔を覗き込んだ。



和「まったく…アホなんですか?アナタは。」



鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔、ってのはこういう顔なんだな、って顔で、



大野さんがカズを見つめていた。



和「今の今まで、俺のどこ見てたんだよ?」


智「え?あ?どこ、って……。」


和「俺はアンタが独立する、って言った時から……いや、違うな。」



カズはちょっと考えるように腕を組んで首を捻った。



和「アンタと付き合い始めた時から決めてたんだよ。」



サイズが合わなくて、ブカブカな指輪を気にしながらもカズは、



大野さんにしがみつくように抱き付いた。



和「……一生、アンタの側にいるんだ、って。」


智「カズ…。」



抱き締め返した大野さんの姿にしばし見入っていた俺らだったけど、



相葉さんの、人目も憚らない号泣ぶりに我に返ったのだった。



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