Sparkling!
第54章 サクラサク?
「あ、そうだ。」
忘れないうちに、と、ポケットからあるものを取り出し、潤に手渡した。
リボンをかけた小さな箱。
潤「これ……?」
「……開けてみろよ。」
潤「うん…。」
やっぱりベタすぎたかな?と思いながらも、潤の反応をドキドキしながら待っている自分がいた。
潤「これ…」
箱の中身を見て言葉を失う潤。
押し黙ったまま微動だにしない。
やっぱベタすぎて、機嫌を損ねてしまったか。
「ごめん、俺…」
潤の手の中から箱を回収しようと手を伸ばすと、潤が小さくすすり上げる。
「あ、明日、これ返してくるから、代わりの…」
潤「……填めてよ?」
「え?」
俯いたまま俺に箱を手渡し左手を差し出した。
呆然としていると、焦れたように潤は手をぶらぶらさせた。
俺は慌てて箱から指輪を取りだし、俺と大して変わらない、ガッチリした指に金色の指輪を填めた。
が…
「ごめん……」
小指でくるくる回る指輪を見て、潤は苦笑していた。
潤「いいよ、別に。その代わり、週末付き合って?」
「付き合う?どこに?」
潤「デートしよ?」
潤は笑顔で左手でくるくる回る指輪を見せつけた。