Sparkling!
第54章 サクラサク?
智「さて…と、そろそろ帰るかな?」
「今日はありがとう。わざわざ出向いてもらって?」
智「こちらこそ。」
智くんは商談の資料でパンパンに膨れたカバンを持ち上げ笑った。
智「んじゃ、また、飲もうね?」
「うん。連絡するよ。」
智「子ども生まれたらどっちか教えてね?お祝いあげたいから。」
「……あのね。」
智「……ね、あのでっかい桜の木……」
柔らかく笑いながら窓の外を見下ろす智くんの視線を辿るように、俺も目線を窓外の葉桜の大木に落とした。
「ん?それがどうかした?」
智「俺らが入社した時より成長してない?」
「そりゃあ、でかくもなるでしょ?」
智「あんときの俺ら、チャラかったね〜?」
「チャラかったのは俺だけだろ?ピアスしてたし?」
智「そんなチャラ男も今じゃ課長だもんなあ。」
「どうしたんだよ、急に?」
智「ん?別に?ただ、そんな時代もあったなあ、って思って、さ?」
「……そうだなあ。……って、昔を懐かしむなんて、俺らも年食ったよなあ。」
智「それ言うな、って?」
カズに言われるんだから、と、苦笑する。
「そう言えば、潤が智くんとこにお祝い送った、とか言ってたけど、何もらったの?」