Sparkling!
第56章 ある二人の日常(山夫婦編)
朝、目が覚めて隣を見ると翔くんがいなかった。
が、なんのことはない。
バスルームからシャワーの音が漏れていたからどこにいるかは一目瞭然だ。
今のうちにメシの仕度でもするか?
まあ、男所帯の朝飯だから、そんな手の込んだものなんて作らないけど?
さっぱりした、と、全身から湯気を立ち上らせた、腰タオル姿の翔くんが姿を現した。
「おはよ。メシ出来てるよ?」
翔「ありがと♪」
昨日の醜態(痴態?)がウソのような爽やかさでペットボトルの水を飲む。
翔「あ、そうだ。忘れるところだった。」
と、目を閉じ唇を突き出してきた。
いつものアレか。
俺は体を乗り出し翔くんの唇にキスをした。
翔くんは満足そうに笑いながら椅子に座り頂きます、と両手のひらを合わせた。
別に、慌てて食べなきゃいけない理由もないのに、口一杯に頬張る姿はちょっと笑えた。
で、噎せてコーヒーで流し込むのも最早お約束。
今日は別々の仕事。
翔「行ってきます。」
んー?ってまた、キスの催促。
しょうがねぇな?
チュ、と音を立ててキスしてやると嬉しそうに笑って出かけていった。
「やべっ!!」
ふと時計を見やるとそろそろマネージャーが迎えに来る時間。
ジャケットを羽織り髪を整え迎えを待った。