Sparkling!
第57章 Naturally
俺は約束通り、大野さんに毎日電話した。
それこそ、付き合ってんのか、と疑われるぐらいに。
そんなある日の会話の中で、
大野さんがこんなことを言い出した。
智「なあ、にの。」
「なんスか?」
智「にのは今、付き合ってる子とかいるの?」
「な、何なの?急に?」
智「いや…何となく。……いるのかなあ、って?」
それ、って…まさか…?
「い、いない……けど?」
智「そっか…」
黙ったまま、受話器の向こう側が再び話し出すのを待つ。
智「にの……。」
「はい?」
智「俺……いいなあ、って思ってる子がいるんだけど、中々言えなくてさ?」
「え?」
あ、いたんだ?好きな子。
智「どうかした?」
「いえ別に。大野さんも恋愛するんだなあ?って。」
智「そりゃあするでしょ?」
「で?どんな子なんです?」
智「んーとにかく可愛いんだよね?可愛い顔して悪っぽく振る舞ってるとこもなんか憎めなくて?」
俺のことじゃなさそう…。
「誰なんです?何なら俺、取り持ってあげましょうか?」
智「ふふっ。ありがとう。でも、いいんだ?」
らしくない遠慮してんな?と、思ったら、
その答えは程無くして納得することができた。