夜が開けるまで
第4章 禁断の果実
由紀は肩に顔を預ける拓馬の髪を優しく撫でながら言った
「女を先にイカせようって思わなくていいのよ。
あなたが私の中で感じる姿を見られたら、それで満足なの。」
今まで聞いたことのないセリフに拓馬は一瞬面食らった。
14歳で初体験をした彼だったが、
度々、「早い」と言われるのが、拓馬の密かなコンプレックスだったのだ。
少しの混乱を整理つけるかのように拓馬は尋ねた。
「女を先にイカせるのが、男の器じゃないんですか?」
由紀は拓馬の頭頂部から背中にかけて、優しくさすりながら言葉を続けた。
「愛し合うのに、先も後もないわ。
私の前では、何も考えず自分の身体が感じるままに動いていいのよ。
そうして、あなたの果てる顔を私に見せて…」