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夜が開けるまで

第4章 禁断の果実

退勤した拓馬の背中が見送るように、隣にいた小太りの外交員が話しかけてきた。

「向井君、最近車買い換えたでしょう。
保証給がずっと続くと見込んで買ったのかしらねぇ。

まぁ、親がお金持ちだし、困らないわよね」


外交員は皮肉まじりに呟いた。




拓馬の父は不動産会社を経営していた。




「父親の会社、悪徳らしいわよ」






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