
夜が開けるまで
第5章 誤算
会場に拓馬の姿はない。
彼は今夜、ライブに出演していた。
由紀は一瞬どきりとした。
拓馬と肉体関係になってから、自分の顧客でもある拓馬の母への訪問が遠のいていた。
秘密を胸にしまいながら、母親に合わせる程の度胸は持ち合わせてはいない。
拓馬の母は、意味深な言葉を残し、軽く会釈をして会場へと入っていった。
だが、不安感に胸が締め付けられる由紀の耳に、その言葉は残らなかった。
今夜もまた、由紀と拓馬はそれぞれの予定の後、港の見える公園の駐車場で待ち合わせをする約束を交わしていた
彼は今夜、ライブに出演していた。
由紀は一瞬どきりとした。
拓馬と肉体関係になってから、自分の顧客でもある拓馬の母への訪問が遠のいていた。
秘密を胸にしまいながら、母親に合わせる程の度胸は持ち合わせてはいない。
拓馬の母は、意味深な言葉を残し、軽く会釈をして会場へと入っていった。
だが、不安感に胸が締め付けられる由紀の耳に、その言葉は残らなかった。
今夜もまた、由紀と拓馬はそれぞれの予定の後、港の見える公園の駐車場で待ち合わせをする約束を交わしていた
