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夜が開けるまで

第6章 一人息子の告白

由紀には高校三年の息子がいる。

離婚後は、由紀が引き取り一緒に暮らしていた。

母子家庭といっても、もともと父親不在が長かったため、生活に変化はなく、元夫の姓をそのまま名乗っていた。


部活を引退し、夏休みが終わると本格的に進路を決める時期。

由紀の場合も、息子の進路については懸念していた。


息子、翼は医療系に進学を希望している。


我が子には希望の道を歩んでもらいたい。

親なら誰でも願うことだろう。

だが、由紀の経済力では希望の道に進ませることは困難だった




「母さん、ちょっと話があるんだけど」

帰宅した由紀を、息子、翼が声をかけた。






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