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夜が開けるまで

第6章 一人息子の告白

由紀は、キッチンで2人分のコーヒーを入れた。



息子と面と向かって話すのはいつだったか覚えていないくらい遠いことのようだった。





由紀はマグカップを差し出すと聞いた。



「話しって何?」


息子、翼はコーヒーを一口含むと、由紀の顔をまっすぐに見つめた。




その瞳は元夫の隆によく似て、切れ長で、見つめられると身動きが取れないような鋭い光を放っていた。




「話はいろいろあるよ。

母さん、最近家にいないから話す機会がなかったけど」





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