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夜が開けるまで

第6章 一人息子の告白


父に対して反抗した拓馬が、一度だけ父子二人だけで外出をしたことがあった。



拓馬が16歳になったある日、父は会わせたい人がいるとだけ言って背広を着ていくように指示をした。



しかも、母には内緒で。








向かう先は東京



しょっちゅう乗る新幹線からの車窓の眺めが、いつもとは違って見えた。



まるで、初めての場所に出掛けるような期待と、目的が分からず連れて行かれる不安感




車内でも父との無言が続く


二人は終始無言のまま、赤坂見付で降りた。


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