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夜が開けるまで

第6章 一人息子の告白



もの思いに耽る拓馬の思考を、れい子の一言が突き刺さった






「あなた、恋人はいるの?」







拓馬はふと我にかえった。




れい子は拓馬のすぐ隣に腰をかけ、顔を覗きこんでいる。



だが視線を合わせると、れい子の思惑通りに飲まれるような気がして、拓馬はグラスの中に視線を落とした。



脳裏には由紀の優しい笑顔が浮かんでいた。





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