夜が開けるまで
第7章 葛藤
拓馬の意外な言葉に由紀のほうが呆気にとられていた。
「ただ会いたいだけなのに。愛していることを伝えたいだけで、どうしてそんな怖い顔するの?」
拓馬はそう言うと由紀を抱き寄せ、唇を重ねた。
拓馬のキスはいつも優しいのに
今日は荒々しく舌を絡めてくる
まるで由紀の言葉を塞ぐかのように
見透かされそうな心を誤魔化すかのように
拓馬のキスに、由紀は強張っていた気持ちを溶かされた
「私だって向井君をずっと愛しているわ…」
「由紀さんが恋しくて、恋しくて胸がはち切れそうだった」
拓馬の指先が割れ目に滑りこむと、二本の指が激しく暴れた
「あァ……っ…」