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夜が開けるまで

第1章 仮面夫婦


由紀は冷蔵庫の扉を開けながら、心当たりを考えた


思いあたることは何もない


家と会社と外回りのパターンの生活


ただ時間が過ぎていくだけの毎日


ときめきや喜び、嬉しいことなど心が躍るようなことはなく、あるのは空虚感だけ






忌まわしい過去の記憶をたどっている由紀を現実に引き戻すかのように


ふいに背後から隆が肩をつかんだ


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