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夜が開けるまで

第1章 仮面夫婦


「午後から新人の研修があるから、遅刻出来ないの、もう行くわ」


一刻も早くこの場を立ち去りたい由紀の背中を後押しするようにバッグから携帯の音が鳴り響いた



「お疲れ様です。向井さんのロールプレイング、予定通り1時からでオッケーです。
その前に税務署に寄っていきますので、はい、わかりました」



通話を終わらせると、彼女はフーッと深呼吸して、

湧き上がる憎しみを抑えながら三行半を突き付けた

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