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夜が開けるまで

第2章 新人社員


所長は拓馬の営業成績にご満悦だ。


「もちろん、田中くんもだよ。何がいいかな?」

「せっかくだから、ステーキランチ!」

由紀が真っ先にリクエストする。


「しかも、芸能人御用達のステーキ岩井の、ですよ」

「僕、この前、母と行ってきました」

「そうか。じゃあ、ラーメンにしよう」

「せっかくなのに〜」

普段はピリピリムードの社内に、明るい笑い声が響く。



拓馬の存在は静かな田舎町の営業所に活気を与えていた。


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