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夜が開けるまで

第2章 新人社員


「しばらくだな」


三行半を突きつけてから四ヶ月ぶりの再会だ。



「離婚届け、サインしておいたから」
「用紙は?」
「家にあるから、後はお前が提出すればいい」
「わかったわ。ありがとう」



由紀は冷静さを保ち答えた。



カッとなりやすい夫の事、また何かをされるのではとヒヤヒヤした。





隆は言葉を続けた。


「俺の口座から引き落とされているものの名義変更は俺がやっておくからいいよ」

「そう。お願いします」



しばらくの沈黙が流れた








「苦労かけたな。幸せになれよ。
じゃあ。」




隆はそういうと、由紀に背中を向けて立ち去った。






隆の背中はどこか寂しげで以前より痩せていた。

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