
夜が開けるまで
第3章 真夏の夜の夢
ライブ当日
由紀は少々緊張気味にライブハウスに足を運んだ。
私みたいなオバサンが行くところじゃないんじゃない?
由紀のイメージは、完全にクラブと混同している
教えられた住所を辿り、路地裏の雑居ビルの地下へ降りていく
「ごめんください…」
小さな声で恐る恐る扉を開ける
薄暗くて以外と狭い会場
ダウンライトの灯りだけが会場を照らす
しかし、会場は満員ですでに熱気に満ちている。
客は圧倒的に女性が多いが、年代はバラバラで由紀と同世代の姿もあった。
由紀は一番奥の席に座った
やがて、ステージにスポットライトが当たり、1人の男性がマイクを持って登場した。
「お待たせしました!
今夜は四年ぶりにTakumaが帰ってきました!
つべこべ言わずに早速登場してもらいましょう!
どうぞ‼︎」
