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夜が開けるまで

第3章 真夏の夜の夢


観客に取り囲まれながら歌う拓馬が、会場の隅にいる由紀を見つけた。



彼はさり気なく、観客の間を割って由紀に近づいてくる。



拓馬と目が合った瞬間、由紀は緊張して固まった。




どうしよう…こっちにくる……



拓馬は由紀に向かってウィンクすると、またステージに戻っていった







間近で見る、別人のような部下の姿




向井くん、カッコいいじゃない……




はにかんだ笑顔の可愛い部下のもう一つの顔に、由紀はためらいと、忘れていたときめきを覚えた







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