
夜が開けるまで
第3章 真夏の夜の夢
「待って」
由紀が止めるのも聞かず拓馬は駆け出した。
そして、マリーナの奥まで進んでいくと、急に立ち止まり一隻の白いヨットを指差した。
「このヨットです」
拓馬は甲板に飛び乗ると、ためらう由紀の体を抱きかかえ、ヨットに乗り込んだ。
「ここなら誰もこない」
拓馬は着ていた白シャツを脱ぎ、上半身裸になった。
細身ながらも筋肉が引き締まった、鍛えられた肉体に由紀は胸が高まった。
「ずっと欲しくてたまらなかったんだ…愛してる…」
拓馬は由紀の上に覆いかぶさると唇を重ね合わせた。
