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夜が開けるまで

第4章 禁断の果実

日曜日、二人は隣町の駅で待ち合わせた。


駅で待つ由紀を拓馬が車で迎えにいく約束だ。


普段はほとんど車の移動ばかりの彼女にとって、30分ほどの電車は新鮮な感覚を覚えた。


車窓からの眺めはちょっとした小旅行に出掛けたような気分になる


山の連なりから時折見える水平線。

トンネルを抜けると一気に青い海が広がる。


駅をひとつ、またひとつと停車するたび、由紀の胸は高まっていた


デートに向かうってこんなワクワク感なんだろうか…


車窓に広がる水平線を眺めながら、記憶の外に消えていたときめきを、たぐりよせていた。




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