非恋愛体質
第8章 恋のライバル
カタカタカタカタ…
静かなオフィスにキーを押す音だけが響き渡る。
「はい、どーぞ。」
そう言って完成した資料を渡される。
「どう?終わりそう?」
後ろからPCを覗き込む片山君の息が耳にかかり、ビクっとする。
「う、うん、これ印刷したら終わり!本当にありがとね。」
顔が上げられなくて俯きながら話す私。
「春先輩いい匂いする…」
髪をクンクンと嗅がれ恥ずかしくなる…
「もー‼︎子犬じゃないんだから離れて離れて!」
「はいはい、じゃあ早く印刷して帰るよ‼︎」
そして資料をホチキスで留め、完成‼︎
「終わったー♡ほんとに助かったよ。どうもありがとう。」
「じゃあ約束通り1杯奢ってね!俺好きな店あるからそこ行こー!」