非恋愛体質
第8章 恋のライバル
片山航太side
マジかよ。
こんな無防備に寝ちゃうことある?
俺は会計を済まし、時計に目をやる。
23:30…
動ければ終電ギリ間に合うけど…この様子じゃ無理だよな。
つか弱いのにペースはえーんだよ。
本当に年上かよ。
春先輩んち知らないし参ったなー。
そして眠っている春の顔を見つめた。
仕方ないか…
春を背負い、店を出る。
店員にはからかわれて、寝込み襲うなよーとか言われる。
襲わねーよ。振り向かせるまではね。
そう思いながら大通りに出てタクシーを拾う。
行き先を告げると車がゆっくりと発車していった。
肩には安心しきったように体を預け眠る春先輩。
到着し会計を済ませるとまた背負って高層マンションに入っていく。
そう、ここは俺んち。
オートロックキーを開け、部屋に入る。
寝室のドアを開け、ベッドに春先輩をそーっと降ろした。