非恋愛体質
第8章 恋のライバル
「やだよー。怖い…助けて…」
怖い夢でも見ているんだろうか?
「春先輩?大丈夫だよ。俺が側にいるから。」
頭を撫でるとだんだん苦しそうな表情が和らいでいく。
ソファで寝ようと思っていたが、ほっとけなくて考えた結果、春先輩の横で寝ることにした。
にしてもこの人ほんと可愛いな…
白く透き通った肌、チークを塗ってないのに赤くなる頬、ぷっくりとした唇、そしてくっきり二重の大きな瞳。
絶対モテるハズなのに、なんでこんな地味な格好してるんだろ?
そんなところも面白くて好きなんだけどさ。
春先輩を腕枕し、その華奢な身体を胸に引き寄せる。
「ムニャムニャ…」
起きたと思ったらただの寝言?
自分の胸の中で落ち着いたように眠る彼女を見ながら、自分も夢の世界へと引き込まれていった。