非恋愛体質
第3章 いつもの一杯
会社に着き、ラウンジでカフェラテを淹れる。
お腹すいた…
引き出しにチョコレート入ってたかな…
お昼までそれでしのぐしかない。
走ったせいでボサボサになった前髪を直しながらカフェラテが出来るのを待っていると、
「おはよう!」
「おはようございます。」
横の大きな影を見上げると
「れ……あ、課長。おはようございます。」
蓮さんて言いそうになった。危ない。
「野原さんていつも出勤ゆっくりなの?」
「いえ、今日はたまたま寝坊してしまって…すみません。」
「定時に間に合ってるし、そんな謝らなくて大丈夫だよ。
昨日は夜更かしでもしてたの?」
ドキッ
あ、でもやっぱり気付いてないってことだよね?良かった。
ホッと胸を撫で下ろす。
「本を読んでたら寝るの遅くなってしまって…」
「そうなんだ。昨日友達の店に顔出しに行っててさ。ちょっと飲み過ぎちゃって、実は俺も今来たところ。怒れる立場じゃないっていうね。」
そういって課長は笑っている。