
非恋愛体質
第6章 春の過去
そしてほとんど意識のない中、私は外を歩いていた。
どこをどれくらい歩いたのかわからない。
気付けば夜になっていた。
周りを見渡すとイルミネーションが光り、楽しそうに笑い合う家族連れ、寄り添い合うカップルの姿が目に入る。
視界が歪んでくる…
なんでこんな目に会わなきゃいけなかったの?
こんな汚い身体、いらないよ。
どんどん涙が溢れてくる。
一生懸命作ったケーキ。
食べてあげれなくてごめんね。
近くの公園のゴミ箱に捨てた。
誰にも言えない…お母さんにも。
心配かけたくない。
手で涙を拭い、家に帰ることにした。
