非恋愛体質
第7章 蓮の事情
あれは大学3年のときだった。
女に誘われて大学近くでランチをすることになり、訪れたカフェでの出来事。
「それでね、ゆきちゃんがね……」
「へー。そうなんだ。」
相槌は打つものの、つまらない話で全然耳に入ってこない。友達がどうのこうの、どうでもいいんだけど。
アイスコーヒーを飲みながら頬杖をつき、外をボーッと眺めていた。
「それで……ねぇ、聞いてる?蓮くん最近冷たい気がするんだけど、本当に私のこと好きぃ?」
他の客がいるにも関わらず、涙目でこんなこと聞いてくる女に嫌気が差していた。
「嫌いじゃないけどさ、俺彼女いらない主義なんだよね。最初から付き合うなんて言ってないでしょ?だからさ、こういう関係が嫌なら他を当たってくれない?」
そこまで言うと女は泣き出し、店の外へ走って行ってしまった。