非恋愛体質
第7章 蓮の事情
「…蓮…くん?……どうしたの?」
「………なんとなく。」
「はぁ⁉︎セクハラーだよそれ‼︎(笑)」
胸の中で、なんの色気もなくゲラゲラと笑っている美奈子さん。
肩を持ちながら体を離して、美奈子さんを見つめた俺は、
「仕事で、ロスの支店に行くことになったんだ。」
「えっ?そうなの⁉︎すごーい‼︎おめでとー‼︎」
やっぱりダメか。
抱き締めたって、こんな近くにいたって、顔色一つ変えない彼女。
俺は弟のような存在なんだって改めて気付かされた。
「だからさ、海外っぽい挨拶してみた!むこうじゃハグ当たり前っしょ!たぶん!」
「あーそういうこと!おばさんだからってバカにしてー‼︎もうっ‼︎」
ポコポコ殴られる俺。
いっつもこんなだったな。