
【S】―エス―01
第8章 記憶の鍵
相槌をうちながらも瞬矢は見逃さなかった。少年の左手首に同じ銀色のオートロックキーが嵌められているのを。
運ばれてきた保管用ボックスの中から、注射器に入れられた淡く光る水色と紫色の薬品を取り出す。
『これより、最終テストを始める』
そのうち、紫色の薬品を少年の右腕に注射した。次の瞬間、
『うぅ……ああああぁあっ!』
少年の慟哭と共に地鳴りが轟く。
壁には亀裂が走り、周りにいた研究者たちは方々へ吹き飛ばされ、炸裂音。画面の中はたちまち現在と同じ惨状と化した。
「……っ、ひどい!」
記録された映像に茜は小さく身を震わせ目を逸らす。
茜の言葉が少年に対して行ったことへのものなのか、それとも少年の力に対してなのかは分からない。
ただ次第に酷くなる頭部の痛みに、瞬矢は眉根を寄せ歯噛みする。
耳障りな雑音が混じり、ぷつり画面は暗転。しばらくの後、再び画面に茜の父親の姿が映る。
音響に甲高いノイズを響かせ、彼は言った。
『――どうやら、実験体【S‐06】は連続する2種の投薬により我々の予想を遥かに逸した力を……』
「っ!」
運ばれてきた保管用ボックスの中から、注射器に入れられた淡く光る水色と紫色の薬品を取り出す。
『これより、最終テストを始める』
そのうち、紫色の薬品を少年の右腕に注射した。次の瞬間、
『うぅ……ああああぁあっ!』
少年の慟哭と共に地鳴りが轟く。
壁には亀裂が走り、周りにいた研究者たちは方々へ吹き飛ばされ、炸裂音。画面の中はたちまち現在と同じ惨状と化した。
「……っ、ひどい!」
記録された映像に茜は小さく身を震わせ目を逸らす。
茜の言葉が少年に対して行ったことへのものなのか、それとも少年の力に対してなのかは分からない。
ただ次第に酷くなる頭部の痛みに、瞬矢は眉根を寄せ歯噛みする。
耳障りな雑音が混じり、ぷつり画面は暗転。しばらくの後、再び画面に茜の父親の姿が映る。
音響に甲高いノイズを響かせ、彼は言った。
『――どうやら、実験体【S‐06】は連続する2種の投薬により我々の予想を遥かに逸した力を……』
「っ!」
