
【S】―エス―01
第8章 記憶の鍵
◇3
午後4時00分。
確認できる記録映像は、一連のことがあり、カメラ本体が床に放置されたところで途切れていた。
やがて画面左上に電池切れのマークが点滅し、ぷつりとカメラの電源が落ちる。
それでも尚、茜は暗くなった画面を見つめ続けた。
(お父さんは瞬矢に、この兄弟に何したの? いったい、お父さんは何を造り出そうと……)
答えなど出ないと分かっていながら、茜は暗に思考を巡らす。その時、地下にまで静寂を打ち破るかのような慟哭が響く。
「!」
我に返った茜は髪を躍らせ振り返り、カメラからメモリーカードを引き抜き階段を駆け上がる。
急勾配な階段を思い切り駆け上がった為、呼吸が乱され脈拍も早い。
ゆっくりと肩で息を整え、そして訊ねた。
「……瞬矢?」
1歩2歩と足を進めだが先ほどの映像を思い出して踏み留まる。
(私ってば、今さら何怖がってんの!)
一瞬でも自身の内側に首をもたげた恐れを払拭するかの如く、大きくかぶりを横に振る。
「俺と弟は昔、ここにいた。俺たちはあいつらの実験体だったんだ」
まるで記憶を手繰るように、手元の写真を見て言う。
午後4時00分。
確認できる記録映像は、一連のことがあり、カメラ本体が床に放置されたところで途切れていた。
やがて画面左上に電池切れのマークが点滅し、ぷつりとカメラの電源が落ちる。
それでも尚、茜は暗くなった画面を見つめ続けた。
(お父さんは瞬矢に、この兄弟に何したの? いったい、お父さんは何を造り出そうと……)
答えなど出ないと分かっていながら、茜は暗に思考を巡らす。その時、地下にまで静寂を打ち破るかのような慟哭が響く。
「!」
我に返った茜は髪を躍らせ振り返り、カメラからメモリーカードを引き抜き階段を駆け上がる。
急勾配な階段を思い切り駆け上がった為、呼吸が乱され脈拍も早い。
ゆっくりと肩で息を整え、そして訊ねた。
「……瞬矢?」
1歩2歩と足を進めだが先ほどの映像を思い出して踏み留まる。
(私ってば、今さら何怖がってんの!)
一瞬でも自身の内側に首をもたげた恐れを払拭するかの如く、大きくかぶりを横に振る。
「俺と弟は昔、ここにいた。俺たちはあいつらの実験体だったんだ」
まるで記憶を手繰るように、手元の写真を見て言う。
