
【S】―エス―01
第10章 化け物
左手で首を押さえる男のその口調は、どこか裏があるともとれる言い方だった。
「だいたい、なんで俺を追い回す? 捜してたのは東雲 暁のはずだろ?」
男の沈黙に、瞬矢は自分の中で思い当たる全ての単語を言葉に変えて投げかける。
「あの屋敷の地下で行なわれてた、明らかに非合法な実験。今回の事件と関係が?」
淡々と、だが真に迫った瞬矢の言葉に、男は明らかな動揺の色を見せる。そして瞬矢がそれを見逃す訳もなく。
「いや、むしろ【S】の方か?」
だが男から返ってきたのは、あまりにも表面的な答えだった。
「我々は提供された写真の人物を捜し、その情報を得るだけ」
「『我々』?」
男の発した『我々』という言葉。そこから察するに、少なくともこの男が個人的な何かで動いているのではないだろう。
となれば、誰かの命令という可能性が極めて高い。
「【情報】か。あるにはある――が、タダじゃやれないな」
どうだひとつ、とメモリーカードを男の眼前にちらつかせ「ギブアンドテイク」口角をつり上げ笑い、核心に迫った質問を繰り出す。
「あんたらに命令出してんの、誰?」
「だいたい、なんで俺を追い回す? 捜してたのは東雲 暁のはずだろ?」
男の沈黙に、瞬矢は自分の中で思い当たる全ての単語を言葉に変えて投げかける。
「あの屋敷の地下で行なわれてた、明らかに非合法な実験。今回の事件と関係が?」
淡々と、だが真に迫った瞬矢の言葉に、男は明らかな動揺の色を見せる。そして瞬矢がそれを見逃す訳もなく。
「いや、むしろ【S】の方か?」
だが男から返ってきたのは、あまりにも表面的な答えだった。
「我々は提供された写真の人物を捜し、その情報を得るだけ」
「『我々』?」
男の発した『我々』という言葉。そこから察するに、少なくともこの男が個人的な何かで動いているのではないだろう。
となれば、誰かの命令という可能性が極めて高い。
「【情報】か。あるにはある――が、タダじゃやれないな」
どうだひとつ、とメモリーカードを男の眼前にちらつかせ「ギブアンドテイク」口角をつり上げ笑い、核心に迫った質問を繰り出す。
「あんたらに命令出してんの、誰?」
