
【S】―エス―01
第12章 穿つ森
山の裾野を通る一本の道に入ったところで、見覚えのあるひとつの分岐点へと辿り着く。
一旦車を停め、枝分かれし細く紆曲した道に視線を送る。
(ここは、一昨日の……)
そこは一昨日訪れたばかりの遺体発見現場。これを偶然として片付けるには、あまりにも一点に重複しすぎている。
瞬矢は得体の知れない――そう、一言で例えるならば因果のようなものを感じながら再び目的地に向かい車を走らせた。
中腹辺りで車を停め運転席から降りると、幅50センチメートルほどの舗装もされていない坂道を見上げる。
坂道の両脇には伸び放題の雑草が行く手を阻むように頭(こうべ)を垂らしていた。
どうやら、目的地はこの坂の上らしい。
坂道から細く段差の低い土で出来た階段を登る。
すうっと視界が拓け現れたのは、墓碑が点々と並ぶだけの、それはそれは小さな墓地だった。
足を踏み入れ、そこにある墓石ひとつひとつをゆっくりと確認していく。――だがしかし、
(ない!? ……いや、話が本当なら、絶対この中にあるはずだ)
一旦車を停め、枝分かれし細く紆曲した道に視線を送る。
(ここは、一昨日の……)
そこは一昨日訪れたばかりの遺体発見現場。これを偶然として片付けるには、あまりにも一点に重複しすぎている。
瞬矢は得体の知れない――そう、一言で例えるならば因果のようなものを感じながら再び目的地に向かい車を走らせた。
中腹辺りで車を停め運転席から降りると、幅50センチメートルほどの舗装もされていない坂道を見上げる。
坂道の両脇には伸び放題の雑草が行く手を阻むように頭(こうべ)を垂らしていた。
どうやら、目的地はこの坂の上らしい。
坂道から細く段差の低い土で出来た階段を登る。
すうっと視界が拓け現れたのは、墓碑が点々と並ぶだけの、それはそれは小さな墓地だった。
足を踏み入れ、そこにある墓石ひとつひとつをゆっくりと確認していく。――だがしかし、
(ない!? ……いや、話が本当なら、絶対この中にあるはずだ)
