【S】―エス―01
第14章 闇を照らす光
◇2
時は遡り2時間前――。
東の空はうっすらと夕焼け色に染まり始めていた。校舎を背景に正門を抜けようとした時のこと。
「東雲!」
不意に背後からかけられた低めの声が茜を呼び止める。同時に左手首へ圧がかかり、仕方なく立ち止まることを余儀なくされた。
「何?」
声の主が誰だか分かった茜は、振り返り明らかに怪訝な表情と声色でそれに応える。振り返った先には声の主、四宮の姿が。
声の主こと四宮は、ややトーンダウンした口調で言う。
「こないだお前といたあいつ、絶対普通じゃない。あの目……、バケモンだ」
以前、腕を締め上げられた際の感覚を思い出したかのように話す。
「そんなことっ……!」
四宮の言葉に茜は思わず声を荒らげる。
瞬矢が普通じゃない、そんなこと言われなくても分かっていた。ただ、瞬矢に対する化け物を見たかのような発言がどうにも許せなかったのだ。
「何も知らないくせに!」
左手にかけられた四宮の抑制を振り切り、駆け出した茜は速度をあげて街並みへと溶け込む。
いつしか街は黄昏て、東の空に夕闇が迫っていた。
時は遡り2時間前――。
東の空はうっすらと夕焼け色に染まり始めていた。校舎を背景に正門を抜けようとした時のこと。
「東雲!」
不意に背後からかけられた低めの声が茜を呼び止める。同時に左手首へ圧がかかり、仕方なく立ち止まることを余儀なくされた。
「何?」
声の主が誰だか分かった茜は、振り返り明らかに怪訝な表情と声色でそれに応える。振り返った先には声の主、四宮の姿が。
声の主こと四宮は、ややトーンダウンした口調で言う。
「こないだお前といたあいつ、絶対普通じゃない。あの目……、バケモンだ」
以前、腕を締め上げられた際の感覚を思い出したかのように話す。
「そんなことっ……!」
四宮の言葉に茜は思わず声を荒らげる。
瞬矢が普通じゃない、そんなこと言われなくても分かっていた。ただ、瞬矢に対する化け物を見たかのような発言がどうにも許せなかったのだ。
「何も知らないくせに!」
左手にかけられた四宮の抑制を振り切り、駆け出した茜は速度をあげて街並みへと溶け込む。
いつしか街は黄昏て、東の空に夕闇が迫っていた。